名無しさん(20代)からの投稿?-中学時代の話。
私は女子にしては珍しい野球部。
ただ1人の女子野球部部員なので、女子テニス部の部室兼ロッカーを借りていました。
ところがある日の放課後、うちの野球部は女生徒に人気があったため、女子テニス部員の嫌がらせで荷物が全て外へ。
ロッカーも閉められ、ユニホーム+帽子着で帰路に着きました。
家は学校の最寄り駅前から近所まで45分ほどバスを乗り継ぎます。
その間、駅に到着する少し前から降りるバス停に至るまで、1人の女子高生(仮名:A)と一緒でした。
Aはうちの中学出身の美人で、私も顔は知っており、「家の方角同じなんだ」と思いつつ、ひたすら歩いていました。
私の前を歩いていたAは度々振り返り、「変質者か何かと勘違いしてるかも」と思っていたらAはいきなりダッシュ。
A「助けてぇーー!!」私「!?」A「助けて!!ストーカーが追いかけてくるぅ!!!!」住宅街で叫び、驚いて家から飛び出てきたおばさんの1人に抱き着くA。
A「あいつ!あたしをつけてくるんです!!」おばさん「まぁ!!!」だんだん人が集まり、車や自転車も止まって私へ疑惑の視線。
タイミング良く巡回中のパトカーも停車。
A「お巡りさん!ストーカーです、助けて!!」お巡り「そうなんですか?」必死な女子高生(美人)の主張と泣き顔に、警官も私(一見ユニホーム姿の少年)に尋ねる。
しかも私は170cmと背が高いので、余計に女子中学生に見られにくい。
私「いえ、ありえません。私、女ですから」A・警「「え?」」帽子を取り、学生手帳も提示。
警官「この子についてきたのは?」私「家、あそこなんで」私が中学生なのに驚く警官に向かい、すぐそこのマンションを指差す私。
Aは赤面&しどろもどろで警官と私に謝罪。
私の保護者も呼んでその日は終着。
しかし、騒動はそれで終わらなかった。
翌日、午前の授業中にAの父親が私の中学まで乗り込んできた。
無断で裏口から入り、職員室に押し掛けるA父。
幸か不幸か私の教室は職員室に近く。
すぐに騒動を察して駆けつけました。
A父「私田私子を出せつってんだ!!!」私「私田は私ですが」A父「お前かぁぁーー!!!!」興奮したA父が私に飛びかかろうとし、男性の体育教師が咄嗟に庇ってくれました。
職員室の前には生徒が好奇心丸出しで集まり出し、ひとまず職員室奥の相談室へ移動。
喚き散らすA父によると、昨夜娘が泣きながら帰宅し、「中学生の女の子にストーカーに遭い、警察に訴えたが分かってくれなかった」と語ったと言う。
Aは私の名前と中学校名を自分の父親に漏らしており、「娘の仇は俺がとってやる!」と意気込んできたらしい。
捲し立て続けるA父に対して冷めた態度の私は、内心怒りでいっぱい。
こんな騒ぎになり、教室に返す訳にもいかず、私自身も同席を望んだため話し合い(?)は続行する。
A父「Aをストーカーしたんだろうが、このレズが!!」私「してません。レズでもありません」A父「嘘つけ、このストーカーの変態レズがぁぁぁーーー!!!!!」気が付くと警官が入室してきて、昨日の騒動を説明。
A父「このレズがうちの娘をストーカーしたんだ!!」私「いいえ、違」A父「お前が警察を騙したんだろうがぁぁーー!!!」警官「お父さん、落ち着いて下さい」人の言葉を遮るくらい興奮しきったおっさんと、やけに冷静な女子中学生にビビってる警官。
署に行こうと言う警官に「娘に確認してやる」とその場でスマホをいじるA父。
ちょうど昼休みの時間帯だからなのかAは電話に出た。
私はそんな時間になっていたのに驚いた。
A「何?」A父「今な、私田私子の学校にいるぞ」A「は?」A父「父さんが、レズ変態にちゃんと言ってやるからな!!」瞬間、わざとらしく大音響にしたスマホからAの啜り泣く声が。
A父「どうした?心配しなくていいぞ!?」A「…違う」A父「え?」A「あたしの勘違いだったの。その子はレズでもストーカーでもないのぉぉーー!」号泣し出した娘に絶句するA父は、私からの冷たい視線、警官からの生温かい対応を受けてキョドる。
結局A父は目も合わせず、小さな声で私に謝罪してA父は署に連行。
その様は娘にそっくりでした。
教師陣にも事情を説明、労いの言葉を貰って本当に嵐は過ぎたのです。
ちなみに数日後、A兄が謝罪に来ました。
部活を終えるとグラウンドの隅に20歳くらいのスーツイケメンが。
「あの…」と私に声をかけてきたため、部活生の好奇の眼差しを受けました。
私「はい?」A兄「Aの兄です」(↑実際はちゃんとAと自分のフルネームを言いましたよ)私「はい」Aの名前に、まさか今度は兄が乗り込んできたかと眉を寄せる私に、A兄頭を下げて謝罪。
(周りの視線がさらに集まってきました)A兄「この度はと父が失礼しました。本当に申し訳ありません!」A「いえ…」A兄「にはキツく言っておきました。後日になり失礼かと思いますが、父には必ず謝罪させます」聞くと、A兄は今年大学を卒業した社会人1年生で、まあ予想通りというか、Aは2人兄の末で父親にかなり甘やかされて育ったそうな。
今一度頭を下げられ、週末には本当にA父娘がA兄に伴われて謝罪に。
と言ったところで、私の家に来られるのもA宅に行くのも嫌なため、結局は近くのファミレスで顔合わせ。
A父・兄はともにスーツであったが、A父はあまりに似合っていないと言うか、あまりに着心地悪そうにしていたため、息子に言われて着用したと予想。
当のAはあの日と同様、高校の制服姿でした。
母親の姿が無かった事に関しては我が家が子家庭である事から、父子家庭の可能性を考えてあえてツッコまず。
まあ、父親と兄が同席すりゃ十分だろうな、と。
A兄に睨まれ、A父とAはやっとこさ私に謝罪。
A父「本当にすみませんでした。社会人として、冷静と常識に外れた行動でした」A「あの日勘違いして嘘ついて迷惑かけてすいませんでした」私「何で嘘ついたんですか?」A「……」A兄「ちゃんと答えなさい。謝りに来たんだろう、お前は!」兄の怒声に震えたAがポツリポツリと言葉を溢す。
要するに、あの日ストーカーされたと思ったら勘違いで、しかも相手は自分より年下の同性。
ご近所のおばさん(多分あの日抱きついていたおばさん)にも自意識過剰だと笑われ、恥ずかしくて腹が立ったらしい。
私「そんなのが理由ですか。私はあの日にいらない心配かけて、学校でも一部誤解されたまま陰口叩かれて良い迷惑ですよ。ほんと、AさんとAのお父さんには驚きました」ようやく今まで溜まっていた鬱憤を露わにする私に怯えるA父娘。
A兄だけは重い表情で私の言葉を受け止めている。
ファミレスを出る時も周りの目も気にせず、A兄が一番深く頭を下げて、明らかに多すぎる(家の近所なのに)タクシー代を渡してくれた。
実はたまたまファミレス内にいた後輩によると、私が退場してもA兄はA父娘に説教したらしい。
A兄「親父もAもあの態度は何だ、私田さんに失礼だろ!!」A兄「全く私田さんが寛大な人でよかった。あんな嘘つかれた上に学校に乗り込まれて、訴えられてもおかしくない」AもA父もブスッとした顔で黙って説教を受けていたそう。
本当に、A兄さんにはあんなと父親を持って同情するしかない。