「美香が16の時22だったってことはそいつもう28くらいのおっさんじゃないかよ
そんな奴と・・・」
「違うよ、去年までしか会ったないから」
「1年も2年も一緒だろ!」
「怒らないでよぉ」
「だから言いたくなかったんだよ」村上はほとんど涙声でそう言った。
確かに、村上にとっては思い出したくもない出来事だろう。
それに、俺が無理やり聞き出そうとしていたのだし、怒るのは筋違いかもしれない。

「他にはいないのかよ?」
「お願いだから怒らないで」
「怒ってないよ!」
「何で、そんな言葉使いなの?普段みたいにしゃべってよ」

俺は確かに頭に来ていた、言葉も自然と荒っぽくなっていた。
「分かったよ・・・」
「まだ普段と違うよ」

「もう、大丈夫だから話してみて」
「怒らない?」
「怒らないよ」俺はまだ他にも嫌な話が出てきそうな気がしていた。
「去年、不倫した・・・」
この言葉は衝撃が大きかった・・・
「去年って、さっき地元のサーファーともやったって・・・」
「いったい、どうなってんだよ・・・何人とやってんだよ!」
俺は嫉妬や悔しさを通り越して激しい怒りを感じた。
「その先輩と付き合っている時に、地元のサーファーと関係していて
その先輩と別れた後もその人とはしばらく続いていたのだけれども、
その人も、他に女がいてすごく落ち込んでいて、そんな時、バイトしていた
コンビニの店長に飲みに誘われて」
「コンビニの店長とやったのかよ!」

「違うの、コンビニの店長じゃないよ」
「じゃ、なんなんだよ!」
「店長と飲みにいった店のバーテンがいい人だったの・・・」
「・・・」俺は黙り込んでしまった。
「店長の行きつけの店で、そこに若い人がいて、その人が話していて
いい人だったからこの次に会いましょうってことになって」
「そいつから誘ってきたのかよ」

「えっ・・・私の方から誘ったの」
「なんで、そんな奴誘うんだよ!」
「怒らないでよ、だから話したくなかったのに」
「分かったよ、怒らないから」
「その地元のサーファーの人にも彼女がいて、だから落ち込んでいたのだけれども
そのバーテンも凄く人のいい人で、」
「そりゃ、客商売してんだからそう見えんだろ」
「もう、話すのやめる」

「ごめん、もう横から口はさむの止めるから」
「それで、その次の日のお昼にその人と会ったの」
「うん、それで」
「ワインを飲みながらお昼ご飯を食べていたんだけども」
「なんで昼まっからワインなんて飲むんだよ」
「もうー」
「ごめん、もう黙っているから」俺は口にチャックをするしぐさをして黙りこくった。

「話しているうちに、その人、結婚しているって言い出して、最初のうちは
冗談かと思っていたんだけれども、それが冗談じゃなくて」
「気がついたらワインも2本あけてしまっていて、気分が悪くなって
家に帰るのもめんどくさくなって気がついたらホテルにいたの」
「そいつはワイン飲んでたんじゃないのかよ?」
「その人は車だったから、はじめの1杯か2杯くらいしか飲んでなかったみたい」
「じゃ、はじめかっらやるつもりで美香にのませていたんじゃないのか?」
「違うよ」
「何でかばうんだよ、店長と飲んでいるとき、男に二股かけられていて落ち込んでいるとか
そんな話してたんだろ。その話をそいつ聞いてたんだろ?」
「多分・・・」

「お前、バカかよ・・・」
「だって、私かわいくないし、秀樹だって私の事からすとか鶏がらとか言っていたじゃない、
だから自分に全然自信がなくて、」
村上は涙を流しながら自分の気持ちを正直に吐露した。
「だから、もしかしてこの人はとか思うとすがりたくなって」
「ごめん、もう、泣くなよ、怒ってないから」
「ごめんね、もう秀樹以外の人とは絶対にしないから・・・」

「そのバーテンには何されたんだよ」
「何もしてないよ」
「何もしてないはずないだろ!ホテルに連れ込まれたんだろ!」
「普通にしただけだよ」
「普通ってどんな体位でやったんだよ」
「正常位でしただけだよ、フェラもなにもしてないよ」

「なまでやったのかよ・・・」
「してないよ、多分」
「多分ってどういうことだよ」
「なまではしてないよ」
「そいつとは1回だけかよ」
「・・・」

「2回した・・・」
「2回ってその日に2回したってことか?」
「それから1ヵ月後くらいにもう一度したの・・・」
俺は怒りを通り越してあきれてしまった。
これだけ嫌な話を聞かされた俺はいつのまにかちんちんも萎えてしまっえいた。
自分の女がとんでもないヤリマンだったという衝撃的な事実が萎えさせてしまったのだろう。

「何で帯者なんかと何度もやんだよ!」
「1回きりでもうやめようと思っていたの、その時だって、気持ち悪くて
どうでもよくなっちゃたの」
「じゃぁ、なんで、もう一度会っているんだよ」
「また連絡があって、前に話し聞いてもらっていたから、また聞いてもらいたかったの」
「で、なんでまたやるんだよ」
「その時もお昼ご飯に会って、またワインを飲んでいたらいつのまにかにホテルに行っていて」
「でも、もうイヤだからって思っていたの」
「じゃ、なんで断らないんだよ!」

「断ったら、お前みたいなブスはやってもらえるだけでもありがたく思えよって怒鳴られて
物凄く恐くなって、それで・・・」
「なんなんだよそいつは!ぶっころしてやる!」
「やめて、だから言いたくなかったのに」
「秀樹が怒らないっていうから話したのに!」
「そんな野郎許しておけるかよ!」

「なんでそんな奴と2回も・・・悔しいよ」
「お願いだから悲しまないで、もう、秀樹以外とは絶対にしないから」
「そいつ中に出したのかよ?」
「出してないよ、ホントだよ。お腹の上に出してたよ」
「一回目も中に出してないのか?」
「一回目もお腹の上にだしていたよ、中に出してないよ」

「さっき、なまでやっていないとか言っていたじゃないか!嘘ついていたのかよ!」
「ごめんなさい、ホントのこといったら怒ると思ったから・・・」
村上は俺の誘導尋問にひっかかってつい本当の事を言ってしまったのだ。
この事実も俺のことを憂鬱にした。よりによって帯者と・・・
しかも、二股をかけられて落ち込んでいるところを慰めるふりをして帯者のくせして
こいつは極悪人だ。二股の中でも帯者が一番性質が悪い。本当に殺してやりたいくらいだ。
しかもなまでやられているとは。

「じゃ、美香の経験は16にプーサーファにやられて、大学に入ってからマリスポの
先輩にやられて、再びプーサーファーにやられてバーテンにやられて・・・」
「その後、ゼミで山本君と知り合ったの」
俺が知りたかったのは山本の性癖だった。
それが思わぬ方向に向かって俺を憂鬱の谷底へと叩き込まれるとは思わなかった。
「山本とはどんなことしてたんだよ」
「えっ、そんな事も言わなくちゃいけないの?」
当然だろ!俺はそれが一番知りたかったんだ。心の中でそうつぶやいた。

「えー、だって友達だったのにそんなこと聞きたいの?」
「あんな奴、今じゃ友達でも何でもないよ」
「怒らない?」
「もちろん、約束するよ」
やはり、友人の性癖は気になるものだった。

「あいつとはどんなHしていたの?」
「えー、やっぱやだよー」
「奴とはじめてしてのはいつどこで?」
「3年の時、夏のゼミ合宿があったでしょ」
「ああ、そういえば、あの時、軽井沢の合宿所に山本の車でいったよね」
「そう、山本君と秀樹と私とSさん(女性)の4人で合宿所まで行ったじゃない」
「帰りもその4人だったよね。Sの家が埼玉県のT沢だったから、彼女をはじめに下ろして
そういや、次に俺が高井戸の駅でここでいいよとかいって降りたな」
「それで、湘南の美香の家まで山本が送ってやるとかいっていたな」
「まさか、その時に・・・」

「もう、いいでしょ、そんなことは」
「いいや、聞きたい、そこまで話したら最後まで聞かせろよ」
「そんなことよりHしようよ、秀樹まだいってなかったんでしょ」
俺のちんちんはすっかり萎えて村上のおまんこからいつのまにか外れていた・・・
確かに、中途半端で終わっているが、話の続きが気になってしまいHに集中できそうになかった。

村上は、Hに集中できない俺にはおかまいなしに再び俺のモノを口に含んだ。
「あっ、さっきしてたままだから拭いてないよ」
「んぐっ、大丈夫、自分のだし、気にしないで」
「あっ、気持ちいい・・・」
何度されても村上のフェラは絶品だった。
あれだけの経験をしていればそれも当然か・・・そう思うとまた鬱が入った。

「なぁ、山本にもこうしてフェラしてやったのか?」
「ングッ、趣味悪いよ?、もうやめてよ」
美香は、本当に嫌そうだった。しかし、俺は気になって仕方がない。
「美香の全てを知りたいんだよ。山本との事も含めて全てを知りたい」
「全てを知った上で美香のことを受け入れたいんだ」
村上は俺の裏筋に舌を這わせながら
「どうしても言わなきゃだめなの?」と聞いてきた。
「美香の全てを知りたい、隠し事はしたくない、過去も現在も未来に渡っても」

「さっきから私ばかりじゃん。秀樹も昔の事いってよ。英子とはどうだったのよ」
俺はまさか自分の事を聞かれるとは思っていなかったからかなり動揺してしまった。
「えっ英子の事はもう終わった事だろ、関係ないよ」
「だったら、私も山本君のことは関係ないもん」
村上はすこしすねて俺のアレに歯をたてた。
「いてぇ!歯たてるなよ!!!」
「だって秀樹がずるいからじゃんかー」

「英子とは何でもないよ。あいつとはなまでしたこともないし、口の中にだしたこともない。
ましてや、美香みたいに飲んでくれるだなんて事はありえなかったよ」
「でも、英子の方がかわいいし、おっぱいもでかいし、一人暮らししてるから秀樹とHたくさん
したんでしょ」
村上は唾液でぐちょぐちょになった俺自身を巧みな指使いで愛撫しながら言った。
俺は村上の愛撫で完全に勃起していた。
「たしかに、回数はたくさんしたけど、内容は薄っぺらだよ、美香のほうがずっといい・・・」
確かに村上の方がテクニシャンだ。一度味わったらやめられない・・・

体つきや容姿では英子は抜群だった。ただ入れて出すだけなら英子の方が抱きごこちはよかった。
しかし、英子は完全に受身で、サービス精神は限りなくゼロに近かった。
フェラは嫌いだし、なまはめは望むべくもない。
やせぎすで色黒で不細工の村上はそれらを補って余りある位の女だった。
性格もひねくれていると思っていたが付き合ってみるとそれは俺の思い過ごしだった。
今では物凄くいとおしいと思うようになっている。それは勿論セックスのみならず、
全てを含めてだ。

村上はキスもうまかったし、俺の乳首舐めたりかんだりして愛撫する。
フェラチオをする時は裏筋から玉袋まで舌を這わせてあまつさえアナルまでをも
舐めあげてくれる。時にはアナルの中に舌を捩じ込むようにして愛撫をくわえた。
英子はおろか今まで付き合ったほかの女もそんなことをしてくれる人はいなかった。
最後にはフィニッシュした精液を飲み込んでくれる。
それはなまはめしてフィニッシュを村上の口の中で迎えるときもそうだった。
時には口元まで射精を我慢できずに胸元や口周りにぶちまける事もあった。
そんな時でも村上は、自分の体にかかった精液を指で掬い取りそれらを舐め取り飲み込んでくれた。

「大好きな秀樹とたくさん愛し合いたいよ」
村上はそう言うと再び俺のモノを口にくわえた。
「俺も、美香とたくさん愛し合いたいよ」
「秀樹は美香とたくさんHしたんでしょ?」
「たくさんっていってもそんなにはしてないよ」
「一日に何回くらいしてたの?」
「せいぜい2回くらいが限界だったよ。たまっている時で3回くらいかな」
俺自身は美香の愛撫にたまらずに勃起していた。早く、いきたい。
いつのまにか、俺はそう思っていた。さっきまではHに集中できなかったのに・・・

それくらいに、村上のフェラは素晴らしかった。
「ねぇ、美香のおまんこにいれたいよ」
「じゃ、英子との事全て話して・・・」
「・・・」
「言わないならやめちゃうよ」今度は村上が俺のことをいたぶる番だった。
「お願い、やめないで」
「じゃ、全て隠さずに話してね。私も秀樹の全てを受け入れたいの」

389
386で別荘で村上に抱いていたひねた性格だと思っていたのは俺の思い過ごしだった
とは書いておいたが、確かに説明不足かもしれないので、以下の文章をそこに挿入しておいて欲しい。

別荘で村上が皆が支度したり後片付けをしているのに手伝いをしなかったのは、当時の俺が露骨に
村上の事を嫌っていたので村上も俺のことが嫌いだった。お互いにそういう雰囲気は感じていたので
山本が俺の別荘でWデートをしようと誘った時はイヤだった。

なにせ、別荘は茨城県の某海岸で湘南在住の村上から見れば最低の田舎だったのだろう。
海なら、自宅のすぐ目の前に(本当に目の前ではないが)サザンで有名な烏帽子岩の見える海岸があるからだ。
それに、村上は山本がたいして好きではなかったのだが、そのことはまた会話の中でふれていくことなので
ここではかかない。
そんな状況で俺と英子がいちゃついてるは、本来なら海といえばボディーボードを
楽しみたいのに浮き輪でチャプチャプしているわで楽しくなかった。
また、自分の彼氏が下男のように働いているのも面白くなかった。
それらがあのような態度を取らせていたのだった。

セックスだけではなく、いろいろと俺につくしてくれた。
卒論の手伝いもそうだが、2人でホテルに行くときは手作り弁当を持ってきてくれたり
俺のことを喜ばそうとして必至になっているのが見て取れた。
また、コムサの服を買ってやったときも物凄く嬉しそうにしていた。
普段はサーファーファッションの村上なので普通の女子がするようなおしゃれぎとか
もっていなかったし、彼女にとってはコムサの服でも高級なグッチやシャネルのスーツ
並に喜んでくれた。また、色が黒いのを除けばスリムな体型をした村上にはコムサの
服が非常によく似合っていた。

当然、今までは単に友人の山本の彼女としか見てなかった村上と恋人同士として一緒に
いることにより情がうつっていったといのもあるだろう。
それを差し引いても余りあるくらい村上は俺につくしてくれた。
何もなまでやらせてくれたり精液を飲み込んでくれるから惚れていったというわけではない。
そのことだけは理解して欲しい。


その男、昏睡中          5