遅れましたが投下させていただきます。



当時のスペック

俺人・自分

マキ・彼女仮名



俺めったにキャバとか行かないんだけど、

付き合ってた子と別れたばっかりな上に当時クリスマスで寂しかったから、後輩連れて飲みにいったんだ。

後輩が「浜崎あゆみ」に似てる子いるっていうから見たくてね。

まあ、似てなかったんですよ。

そんなもんか?とか思ってた所に遅れて来たのがマキ。

始めキャバ嬢は髪の毛巻いてたり派手な化粧するイメージが勝手にあったもんだからマキを見て「えっ?」と思った。

第一印象がキャバっぽくないな?と思った。

笑う顔が可愛くて俺がじーっと見てたら、俺を見て「何ですか
?」とか言って笑顔。

そこで俺やられました。






その日はそのまま帰ったんだけど、また違う日に後輩と一緒にそこの店行ったんだ。

マキがまた俺についてくれて「この前もいらしてくれましたよね」とか言ってくれてね。

そこでアドレス交換した。

俺は店に行かなかったんだけど、毎日メールしてた。

マキも長文を返してくれたりして、俺に付き合ってくれてて、ある日夜中に遊ぶ約束した。

俺んちで映画でも見ようってことになったんだ。

ムードないかもしれないけど、当時新作だった「Catchmeifyoucan」を借りて俺んちへ。



映画どころじゃなかったんだが、マキが一生懸命見てるから俺も見てた。

内容なんて覚えてません。

映画終わってから色々話したりしてたらマキが「相談してもいいですか?」と言ってきたんだ。

なにかな?と聞いてみたら、男の相談だった。

でも彼氏とかじゃなくて別れた人のこと。

何でも相手に婚約者がいるの知らなくて付き合ってたんだけど、ある日突然「俺結婚するから別れよう」と言われてしまったらしい。

でもそれから何度か会ったりしてて、抜け出せない自分がいる、と。

男の視点で、マキは遊ばれてますか?と言われた。

そんなの一目瞭然ですよ。

遊ばれてるよとそのまま言ってしまいましたよ。

そしたら涙目になったんだけど、俺どうしていいかわからずしばらく放置。

数分後マキが「そうですよね、ありがとうございます。ハッキリ言ってくれて良かったです」とあの笑顔で言ってきた。

もうもみくちゃにしたい気持ちを抑えて、「俺、マキの事好きだよ」と言ってしまいました。



その日から、マキと交際がスタートした。

俺はなんとなくマキは前の男のことまだ好きなのはわかってた。

忘れてくれたらいいな?とか思って、俺は俺なりに頑張ってたんだ。

マキを見るたびドキドキしたりして、こんな気持ち高校生以来だった。

マキはそのうちキャバを引退。

どうしてキャバで働いてたんだーって聞いたら、前の男のこと忘れたくて、一人の時間がヤだったんだと。

マキはキャバ時代も昼も夜も働いていた。

キャバ辞めてから、昼一本。

本職はインターネットで洋服売ってる店のHP作りとモデルだった。



昼一本になってから同棲を始めて、毎日一緒にいるようになりますます好きになっていってしまったんだが、

マキもそうだとその頃は思ってた。

インターネット系だから自宅でも仕事できるので、俺の休みの日に合わせてくれたりして。

そのうち結婚の話とか出てきた。

マキも俺もお互いの親に会ったり、飯食いにいったりしてたから面識はある。

お互いの親からもいつ結婚するのとか聞かれるほど仲良かった。

俺の後輩や職場の友達とかも結婚はいつだよ?とか言ってきてて、俺の中では結婚ピーク。

マキに「結婚しちゃうかー」と冗談っぽく言ったら、「嬉しい!!」と大喜びしてくれた。

その日から密かに貯金をし始めて、着実に貯まっていった。

気がつけば付き合って2年が経っていて、結婚資金もあり、同棲も続いており、お互い仕事も上手く行っていて

あとは俺から結婚するかーと言うだけだ。



ある日マキの携帯に着信があった。

電話だよーと言って画面を見たら登録されてない番号からで、マキの携帯によくキャバの頃の客からかかってくるのを

知っていたのと、マキはお皿洗ってたので、なんとなく俺でちゃったんだよ。

案の定男の声だった。

電話でてるのをみてマキがお皿洗う手を止めて何か言ってた。

俺が面白くて黙ってたら男が「マキ?今大丈夫?」とか繰り返してる。

「人の彼女呼び捨てかよ!w」とか思ってて更に黙ってた。

しかし、男の発言が何だか意味深でおかしい。



「マキ、怒ってる?」「この前はゴメン急に仕事が」「マキに会いたかった」



俺の頭の中「???なんだ???」ってなってた。

マキが皿洗いを中断して、俺のほうへやってきて「だれ?」と焦っている。



何度か電話を取り上げられそうになったので、そのままトイレに逃走して鍵をかけてみた。

電話の男がまだまだ喋る。



「聞いてる?」「明日大丈夫だから!」「会えるよね?」



明日は確か友達とご飯を食べに行くって言ってたよなあ。

トイレの外からマキがノックして「どうして電話持って逃げるの?!」とか明らかに取り乱してる。

その時は固まってしまっていて、何を言っていいかわからず、

電話の相手に「あのお?」と間抜けな声を出してしまった。

その瞬間電話が切れた。

俺もキレた。



トイレから出て「どういうことだ!!説明しろ!!」と怒鳴ってしまった…。

マキは俺の目を見て黙った後、「ゴメン」とだけ言った。

「ゴメンじゃなくて説明しろ!」

「ゴメン、前の彼氏…」

「はあ?(゜Д゜)なにが?」

俺、パニックになる。



マキの話によると、前の彼氏と最近会うようになったと。

俺と付き合ってから前の彼氏にちゃんと別れを告げて、俺と同棲した。

前の彼氏は婚約者がいたので、その人と結婚すると思っていた。

マキは俺と結婚すると思っていたが、ある日マキの店にそいつが偶然来たと。

懐かしくて話し込んだら昔の気持ちを思い出してしまって…

会うようになる。

これ4ヶ月前の話。

俺にばれる今日まで続いていたと。



その話を聞いたあとすぐに「そいつを呼べ」と言った。

まあやっぱり拒否されたから、マキの電話でまたトイレから電話してやった。

しぶとく出なかったが、観念したのかやっと出て、第一声「すみません」。



「すみませんじゃなくて今から○○(ファミレスの名前)来い」

「無理です」

「俺お前の職場知ってるから明日行くわ。お前の上司に電話してもいいよね?」

「困ります」

「いいから○○に来い!来ないと明日行くからな!!」



電話を切り、マキを無理やり○○へ連れて行く。

俺達が着いて数十分後、相手の男と思われるヤツ登場。

俺の向かいに座った。

マキはずっと下を向いたまま。



「誤解されてるようですが、僕とマキさんはあなたが思っているような関係ではありません」



と何も聞いていないのにいきなり言ってきた。

何も聞いてない。まず名前を言え、と言ってようやく名乗った。

俺は名乗らなかったが。

それからまたさっきのセリフを言った。

さっきマキから全て聞いたことを言ったら男がマキの方をチラッと見ながら無言。

打ち合わせは事前にしろ。



それから男に質問攻めした。

「婚約者は?」

「今はいません」

「別れたの?」

「はい」

「俺いるの知ってたよね?」

「はい」

「お前から誘ったの?」

「はい」

「マキとは本気なの?」

「はい」



男の話を聞くと、婚約者とはとっくに別れてて、マキの事を思い出して偶然を装ってマキの職場に行った。

相変わらずなマキを見てほっとしたが、彼氏がいることが発覚。

前みたいに戻りたいと思って、彼氏と別れて俺とやり直さないか?と言ったところ、

「今は俺人がいるから、結婚するんだ」といわれた。

結婚と聞いて気持ちが抑えきれなくなり、マキに気持ちをぶつけてしまった。

マキは「あんなに必死に忘れたのに、いまさら遅いよ」と言ったが、それから毎日職場に会いに行った。

だんだんマキも打ち解けてきてくれて、そのまま関係へ。

マキが彼氏(俺人)と別れる。と約束してくれた。



「今の話全部ほんとう?」とマキに確認したところ、小さく頷いた。

その時俺の中で貯金もしてたのになー式場も心の中で決めてたのになー父や母に報告したのになーとか

色々考えてた。

「俺、マキと本気だから。俺もうマキを悲しませたりしないから。俺についてきてほしい。

俺の方がマキの事スキだ。」

相手の男が言った。

マキが涙目になっているのを見て、俺はもう何が何だかわからなくなってしまい、店の外に奴を引きずりだして、

力いっぱい殴った。

「やめてー!やめてー!」

とか叫んでたけど、完全にスイッチはいっちゃってて俺は止まらない。

悔しい気持ちと悲しい気持ちと怒りで涙を流しながらボッコボコにしちまった。



男はピクリとも動かなくなったのを見て、手を止めて「お前の荷物外に出しとく」とだけ言って車で帰りました。

帰宅して、宣言通りマキの服や化粧品やらを外に投げておいた。

あんなにボコったから、警察にでも行くのかなーと思ってたけど、誰も俺を訪ねてくる奴はいなく、その代わり

外の荷物が全てなくなっていた。



それから噂によるとマキとそいつは結婚したらしいです。

俺達はハッキリ婚約してたわけじゃないけど、俺よりあいつの結婚の約束の方が価値があったのかと思い凹んだ。



俺も今年ようやく…