前編:うなぎ責め (レイプ体験談)


 吉原に軒を連ねる多くの遊郭の中では、中堅格とされている見世の一つに榊屋がある。
比較的若い見世なのだが、今の女将の手腕によって急成長をとげて今ではそこそこ名が通っている。
 さて、榊屋も遊郭である以上、遊女たちの仕置き用の部屋がある。足抜けを図る遊女たちは、今も昔も後をたたないのだ。
成功するはずもないと、充分に知っているはずなのに、である。




 それでも、大抵の人間は一度失敗すればそれに懲りて二度と足抜けを試みたりはしない。
だから、普通であれば仕置き部屋の常連、などというものは存在しないはずなのだが……榊屋には、それが、いる。
名前
は、武蔵。遊女としては標準よりやや上か、ぐらいの容貌の持ち主なのだが、
ともかく気が強い。既に片手では数えられないほどの足抜けをくり返し、
その度に捕らえられてはきつい仕置きを受けているというのに、一向に懲りる気配を見せないのだ。
客とのトラブルも数多く、やはりその度に仕置きを受けるのだが態度が改まる気配がない。
今はまだそんなことはないが、この調子が続けば彼女が稼ぐ金よりも彼女のために強いられた出費の方が多くなるかもしれない。

 女将としても、頭を悩ませてはいるのだろうが、どういうわけか上得意の一人である
小次郎が武蔵に執心を見せているために思いきった対応が出来ないようだ。
いっそ、小次郎に身請けさせてしまえばいいのだろうが、武蔵の方では『絶対に、嫌っ』と公言してはばからないし、
小次郎の方でも『武蔵がその気になるまで気長に待つさ』という調子なので実現の可能性は今のところない。

 溜め息をつきつつ、今日もまた、武蔵の仕置きの準備を進める女将であった。
とはいえ、流石に遊女相手の仕置きのタネが尽き始めている。
大きく身体を傷つけるような責めをするわけにも行かないのだ。

「指切りにいぶし、ヒョウタンにくすぐり蝋燭もやったし……蚊柱は、時期的に無理だしねぇ。
責め、も、武蔵相手じゃあんまり効果はなさそうだし。ほんと、どうしたもんかねぇ……?」
 帳面を眺めつつ、深い溜め息を漏らすと女将は天井を見上げた。と、その時、脳裏にピンとひらめくものがあった。

「そうか……あれが、あったっけねぇ」
 にやりと口元を歪めると、女将は下男たちに準備を命じた。

「いいかげん、言い飽きたんだけどねぇ……武蔵、あんた、いいかげんに懲りたらどうだい? 
足抜けなんて、出来っこないってもう充分分かってるだろうに」
 呆れたように女将は両腕を屈強な男たちに掴まれて立つ武蔵へとそう言った。
ふんっと、顔を背ける武蔵の姿にはぁぁっと大きな溜め息をつく。

「まったく……済みませんねぇ、小次郎の若旦那。毎度毎度、どたばたしてしまいまして」

「なぁに、かまわないさ。で、今日はどんな仕置きを見せてもらえるのかな? 
まさか、釜茹でじゃないよなぁ。そんなことしたら、死んでしまうから」

 部屋の中央に据えられた鼎(かなえ)に視線を向け、片頬に小次郎が苦笑を浮かべる。
鼎の中には水が満たされていて、下には薪が積まれている。
鼎の深さはそれほどでもないから、中に人間を座らせるような形で使うつもりらしい。

「もちろん、大切な女郎を殺すようなまねはいたしませんとも。
いつもいつも痛めつけるだけでは芸がありませんからねぇ。たまには、踊りを披露してもらおうかと思いまして」
「踊り?」
 
怪訝そうに眉をしかめた小次郎ににっこりと笑いかけると、女将は下男たちにめくばせした。
無言のまま、下男たちが武蔵の身体を覆う衣服を剥ぎ取る。
武蔵が罵声をあげ、身をよじって抵抗するが、慣れている作業だから下男たちの動きに淀みはない。
さほどの時間をかけず、武蔵は全ての衣服を剥ぎ取られてしまった。
尚も毒付き、抵抗する武蔵の両腕を背中で交差させて縛りあげると、下男の一人が竹の棒を部屋の隅から持ってきた。
もう一人が武蔵の肩に手をかけてその場に座らせ、足を開いた状態で彼女の両足首が竹の棒に結び付けられる。
 下男たちが武蔵の身体を持ち上げ、鼎の中に移動させる。竹の棒の長さは鼎の直径と
ほぼ同じで、ぴったりとはまり込んでしまった。両腕も背中で縛られているから、
こういう体勢になると武蔵は自分の力では立ち上がることが出来ない。
ぱしゃっ、ぱしゃっと水音を立てて身体を揺するのがせいぜいだ。
立てられた膝が水面から顔を覗かせ、Mの字型になった両足の付け根の茂みが水中でゆらゆらと藻のように揺れている。

「な、何をしようってんだい!?」
「ふふん、すぐに分かるよ。少し、黙ってな」

 水面を揺らしながら叫ぶ武蔵のことを鼻で笑うと、女将は下男たちに合図をした。
床に置かれていた大きなタライを二人がかりで持ち上げ、傾けて中身を鼎の中にばしゃりと放り込む。
ひゃうっと奇妙な声を武蔵が上げた。

「な、何だい、これはっ。あっ、こらっ、動くんじゃないよっ」

 タライの中に入っていたのは、数十匹の鰻だ。もちろん、鰻には毒も牙もないが、
数が多いだけに水中の身体にぬるぬるとまとわりつく。無数の手に肌を撫でまわされているようなものだ。
僅かに頬を上気させ、武蔵が身をよじった。

「ふぅん、なるほど、ね」

 顎に手を当て、にやにやと笑いながら小次郎が呟く。
太股や腹、背中、更には水に漬かった乳房などに鰻の胴体が擦りつけられるたびに
武蔵が身をよじって喘ぐ。着痩せするたちなのか、意外なほど大きな乳房が
水の中でふるふると震え、そこに巻きつくように鰻がまとわりついていた。
それほど大きな動きは見せておらず、武蔵は僅かにを噛んで小さな喘ぎを漏らしている。

「それでは、もう少し派手に踊ってもらいましょうかねぇ」

 薄く笑いながら女将がそう言い、下男の一人が鼎の下に詰まれた薪に火を付けた。
よく乾燥させてあるらしく、ほとんど煙も立てずに薪が燃え上がる。
中に水が満たされているせいで、鼎は火で熱せられてもある程度以上の温度にはならない。中にいる武蔵が火傷をする心配はないわけだ。
 しばらくの間は、それでも武蔵は小さく喘ぎながら身体を震わせていただけだ。
しかし、水の温度が上がるにつれて、中に入れられた鰻たちの動きが激しくなる。冷たい水を好む鰻たちが、
暖かくなった水から逃れようといっせいに動き始めたのだ。

「ひゃうぅっ!? や、やめ……ひゃうんっ」

 びくんっ、と、身体を大きく震わせて武蔵が悲鳴を上げる。
鰻が好むのは、冷たい水と狭い穴。そして、水の中には丁度二つの穴があったのだ。
すなわち、武蔵の秘所と肛門である。いっせいに鰻たちが武蔵の股間に殺到し、
口の先でつんつんと茂みに覆われた秘所をつつく。
「だ、駄目っ、はいって、くるんじゃ……あううぅんっ」
 ぬるり、と、鰻の一匹がついに武蔵の体内への侵入に成功する。
ぬるぬるとした鰻の身体が、くねりながら秘所の奥深くまで潜り込んでくる感覚に、
武蔵は顔をのけぞらして甘いものの混じった悲鳴を上げた。
うねうねと胴体をくねらせ、武蔵の秘肉をたっぷりと刺激しながらなおも鰻が奥深くへと潜り込んでいく。

「あっ、はっ、ふわぁっ。ひゃっ!? ひゃひいいぃぃっ」

 刺激に潤み、花を綻ばせた武蔵の秘所へと二匹目の鰻が頭を潜り込ませた。
秘所から伝わってくる強烈な刺激に、目を剥いて武蔵が悲鳴を上げる。
びくんびくんと身体を震わせる彼女の身体中を、鰻たちがぬるぬるとした胴体でこすり、更に快感を高める。

「キヒイイィィッ、ヒッ、ヒャアアアアアアアァッ。あぐっ、ああぁっ、もう、無理っ、駄目ぇっ」

 二匹目が身体をくねらせながら狭い穴に潜り込み、一匹目と共に秘肉をこする。
めて味わう強烈な刺激に口を大きく開けて絶叫する武蔵。
二匹の鰻を飲み込んだ秘所へと、三匹目と四匹目の鰻が同時に頭を突っ込んだ。
流石にこれは簡単には受け入れきれず、秘所を引き裂かれそうな痛みを感じて武蔵が引きつった声を上げた。
だが、もちろん鰻にはそんな言葉は通用しない。強引に武蔵の秘所を押し開き、狭い通路へと身体を押し込む。

「キヒイイイイィッ、ヒギッ、ダメッ、動かないでっ、アヒイイイィッ。ヒアッ、ヒャッ、ヒャハアアアァッ!」

 四匹の鰻が、互いにもつれ合いながら武蔵の秘所をえぐる。
引き裂かれてしまいそうな痛みと共に強烈な快感が押し寄せ、惑乱した叫びを武蔵が上げた。
自由にならない身体をそれでも精一杯にくねらせ、ばしゃばしゃと激しく水音を立てながら身悶える。

「ハヒッ、ヒッ、ヒイイイイィッ。アッ、アッ、アアアア--ッ。動いてるっ、中でっ、動いてるぅっ」

「ふふん、ちゃんと色っぽい声も出せるじゃないか、武蔵」

 女将が嘲笑を浮かべるが、耳に入っていないのか、それとも単に答える余裕がないだけか、
ともかく武蔵は答えない。びくんびくんと身体を跳ねさせ、しきりに首を振って歓喜の声を上げている。
 四匹の鰻を飲み込んだ秘所の下、もう一つの穴である肛門へと、
比較的小さな鰻が頭を向けた。つんつんと頭の先で肛門を刺激され、引きつった悲鳴を武蔵が上げる。
男色ならばともかく、女を相手にするのにわざわざ肛門を犯そうという男は滅多に居ないから、
武蔵も今までにそこに男を受け入れた経験はない。反射的に鰻の侵入を防ごうと、肛門に力を込める。

「ふひゃっ!? ひゃうううううううぅっ!」

 肛門にぐっと力を…