思いもよらない出来事がおこった。いつものバイトの帰り道、俺が歩いている道路の反対側の路側帯に、見なれた、いや、見なれ過ぎて逆に不自然な人物を見つけた。それは俺がいつもながめている、CDのジャケットや雑誌や、壁のポスターの中の存在、aikoその人だった。心臓がギュッと何かに掴まれてちぢんだような気がした。あり得ない、と思いつつも、何度も目をこらして、それはやっぱりaikoだった。ふわふわ揺れるゆるいウェーブの長い髪、小さな体に不釣り合いなくらいの大きめのリュック。見なれたジーンズに、今までCDや雑誌などで見続け-----、憧れ続けてきたaikoが、 今まさに俺の目の前を通り過ぎ、歩いていく。
俺は心の中で戸惑いながらも、自然と後戻りしaikoを追っていた。メディアの中でしか見ていられなかった彼女が、今手の届くすぐそこにいる。ファンとして声をかけてもいいのに、俺はなぜかそうするわけでもなく、 距離をはかるようにaikoの後をつけていた。ただ行く先が気になった。aikoがどこへ行きなにをするのか。あわよくば彼女の自宅を突き止めることができるかもしれない。もしそうしたところで何がしたいわけでもない、ただ、ファンとして、好奇心から行動していた、つもりだった。まだ、その時は。ずっと、心のなかで追い続けていたんだ。 原付を適当なところで停めて、先程尾行してきたマンションへ辿り着く。マンションの中へ入っていくのに、どうしようか少し考えた。 思い付きと勢いだけで行動してきたから、細かいところまで考えていなかったのだ。 怪しまれないように携帯をひらいてカモフラージュしながら少し迷っていると、ちょうど人が歩いてきて、マンションに入って行く。 俺の前を通り過ぎるとき少し会釈したので、つられて会釈しかえす。そして何ごともなかったように、その人についてマンションに入っていくことができた。 嬉しい偶然に高鳴る鼓動を押さえることができず、思わず早足になる。aikoが消えていった2階のマンションへ迷わず足を運んだ。しばらく歩くと、aikoは閑静で見るからに高そうなマンションへ入っていってしまった。マンションの中まではさすがについていけないので、踏み止まり様子を伺う。 様子から見て、友達の家に来たなどという感じはせず、どうやら自宅のようだ。 離れた位置から伺うと、2階の廊下をaikoが歩いているのがみえた。そのまま、端のドアを開け中へ入って行く。ファンとしてあるまじき行為だ。 自宅をつきとめるなど、してはいけない行為だ、そうは思いつつも、はやる思いはどこか落ち着いていて、昏い欲望が渦巻いていた。 俺は一度引き返す。場所は覚えた。 自分がこれから何をしようとしているのか、自覚したくはなかった。それは、偶然の出逢いに授かった、あってはならないくらい黒い欲望だった。 早鐘のようになっていた心臓はどこか落ち着きを取り戻している。 家路につき、小さめのボストンバッグにデジカメを詰めた。それから、ナイフ、ガムテープ。 使うつもりはないけれど、もしものための用意だ。 何をするつもりか、明瞭な目的が自分の中で露になる。 目的はたったひとつ。aikoを犯すことだ。 簡単にいかないかもしれない。捕まるかもしれない。だけどこんなチャンスはめったにない。この欲望を押さえ込むことも不可能だ。ゆっくりと頭のなかで段取りを考えながら、それでも逸る思いは押さえられなかった。 準備も確認もそこそこにして、俺は原付に跨がった。ドアの前で少し考えた。また外出していなければ、この向こうにaikoがいるはずだ。 思わずのどを慣らしてを飲む。とうとう焦燥が限界にきて、考え無しにベルをならしてしまった。ブツ、と音がして、『はい?』と女の声がした。 聴き慣れた、声、aikoだ。その声にまた興奮のボルテージがあがる。どもった口調で今考えたばかりの、あとから考えてみれば明らかに怪しい口実が口をついてでた。 「あの、昨日3階に越してきた者なんですが」 「あ、そうなんですか」どうもaikoは不用心なようで、またブツ、という音がした。それからぱたぱたと足音、そしてドアがあいた。 息をのんだ。本物のaikoが今目の前に立っている。 少し化粧は薄かったけれど、見なれた顔で、さっき見たままの姿で目の前に立っていた。 暫く妙な感動を覚えて何も言えなくて、じっと見つめてしまった。 「…あの?」 「あ、すいません。あの…aikoさん…ですよね?」わかっていて来たはずなのに、へたな演技をしてみる。aikoは少し微笑んで「はい」と言った。はにかんだような笑顔が愛しくなる。 胸の昂りがおさえられず、頭に血がのぼってしまい、それからの行動にはもう、理性なんか残ってはいなかった。ぐっとaikoの肩をおさえ、部屋に押し入り壁のすみに押さえ込む。 「なっ…」 玄関に足をもつらせたaikoがその場で体制を崩した。ドアがしまったのを見て、俺はすぐさま片手でaikoをおさえ、もう片方の手で施錠する。 展開の早さについていけなかったのか、aikoはぼうぜんとした目で俺をみつめた。そのaikoを見下ろす俺の目は、多分情慾で染まって、ひどく冷たい目をしていたんだと思う。秋も深まり、窓は閉めてある。カーテンも半分かかっているし、なによりこの場にもし誰かがいたら、と思いもしていたが、幸いaikoの他に誰もいなかった。 我にかえったaikoが、やっとまともに口をひらいた。 「な…何すんの!離し…」 片手で口を閉ざすのは雑作もないこと。自分の手のひらにaikoの口があたり、 暖かい息が当たるのがわかって、胸が高まった。 涙目のaikoを押さえながら、ポケットに入れていた自分のタオルで猿轡をさせる。そして部屋の中までaikoを引っ張り、ガムテープで手首をぐるぐる巻きにした。その間aikoはずっとくぐもった声を漏らし続けていたけれど、俺にはなんとも思えない。 不思議と、冷静にaikoを犯す段取りを考えていた。 床に転がされ手首を縛られたaikoをじっと眺め、そのあと軽く部屋を見渡す。キーボード、ソファ、テレビ、スヌーピーのぬいぐるみ。aikoを押さえ込んだ玄関には、レゴで作られた犬。俺の思い描いていたとおりのaikoの部屋だった。 素早くカーテンを閉めると、ドアにチェーンをかけた。 起き上がれないでいるaikoのそばに近づくと、aikoが何か言っている。 猿ぐつわのおかげで何も聞き取れないけれど、その声は俺の大好きな声だった。 我慢ができず体を触る。aikoは抵抗したけれど、大した力もなく、男の俺の前では悲しい抵抗だった。 服の上から胸を鷲掴むと、aikoが首を振って涙をこぼす。 大きくない胸の頂を弄ると、aikoが抑えきれない声を漏らした。この上なく興奮したのは、言うまでもない。ぐり、ぐりっと何度も弄る。aikoは目に涙をためて首をふりいやいやをした。その仕草がいっそう、俺の嗜虐心を煽った。服の上から感触を、さんざん楽しんだあと、次は生の感触を味わいたくなってきた。 「はぁ、はぁ…」 自分の呼吸がどんどん荒くなっていく。まだ少し冷えている手を、aikoの服の裾から差し込んだ。 「うぐっ…」 声を出せないaikoが身をよじる。 逃がさぬように片手で押さえ、腹からゆっくり、感触を確かめた。 吸い付くようなきめ細かい肌は、衣類に隠れてまだ見えなくとも、十分興奮した。 「んうっ、むぅっ!」 顔を背け目をかたくとじることしか抵抗できないaikoは、先ほどより激しく身をくねらせた。カッと頭に血が上り、『あこがれの歌手』だとか、『大事に扱わないと』だとか、そういった理性が欲望によって打ち壊される。ギュッと下着の上から、強く右胸を掴んでやった。 「うぐぅっ…」 強く握りすぎて痛いのか、少し動きが鈍くなる。 半分開かれた彼女の目からは涙がこぼれていた。その涙ですら、これから汚される彼女の体を想像すると、何とも思えなくなった。 背中に手をまわし、下着のホックをはずす。 緩まった胸に手をまわし、強く揉みしだいた。 愛撫とは言えないくらいの力に、aikoはしきりにもがいたが、 俺の理性はとうに崩れどこかへいってしまっていた。 力の加減などできるはずがなく、彼女を好き放題嬲り倒すことしか頭になかったのだ。ガバッと着ていたカットソーを首の付け根まで上げる。そこには、白桃のような乳房がふたつ並んでいた。 小振りで可愛らしい胸の中心に、少し膨らんだ乳首がある。ピンと人差し指で弾くと、aikoが頬をそめて反応した。 顔を背けてはいたが、明らかに感じている反応だ。それを見て嬉しくなり、ついにやりと笑みがこぼれる。 何度も弾き、そして我慢できずに吸い付いた。「むぐっ!うぐぅっ、んうぅっ」ひどく反応し、体をビクつかせはじめる。 先ほどより固くなっている乳首に気を良くした俺は、何度も執拗に胸を責め続けた。 散々舐りたおすと、aikoの胸に夢中になっていた体を一度起こし、カメラに手を伸ばす。かばんから取り出されたカメラに、aikoも何をされるのか感づいた様子で、 必死に体を起こそうとした。だが、俺が上に乗っているため抵抗も虚しく、俺はまず一枚カメラに納めた。そこには顔を赤らめ必死でカメラに写るまいとしている、胸をさらけ出したaikoだった。 涙をこぼし唸る彼女を、更に何枚か撮り続ける。 何枚か撮影し終えると、カメラをaikoの手の届かない場所に置き、見下ろしにやりと笑った。 「どういう意味かわかるよね?猿ぐつわ外すから、大声あげないでね」aikoは何も言えずに、涙でぬれた目で俺を睨みつけている。 彼女の液濡れになった猿ぐつわ…