この夏、オレはどうしようもなく落ち込んだ。

そしてそれ以上に落ち込んだ彼女の真由とは一ヶ月近く連絡が取れなかった。



真由と出合ったのはオレが31歳の春だった。

友人の経営するレストランバーでバイトをする20歳の大学生に一目惚れした。

年は一回り近く離れていたがオレは猛アタックをした。

見た目は並程度、自慢できるのは並外れた体格と体力ぐらいのごく普通のサラリーマンのオレの熱意に負けたのか付き合うことになった。



真由は背が高く色白で優しい顔立ちの娘だ。

学生">小学生の頃から高校まで続けていたバレーボールのお陰か少し広めの肩幅と引き締まった筋肉質の身体、そして腕の長い娘だ。



オレは真由の望む事や喜んでくれる事ならどんな事でも一生懸命努力し出来る限り実現してきた。

そんな甲斐もあってか去年の秋のプロポーズも即答で受け入れてくれた。

去年の暮れには彼女の両親にも挨拶を済ませた。






春からは両親公認の下、新築の家で同棲生活も始め仕事も変わった。

真由の父は小さいながらも輸入雑貨を扱う会社を経営していてそこに勤めだしたのだ。

真由も来春から勤める予定だ。



彼女には男兄弟はいない。二つ下のだけだ。

オレは半分?婿養子のような格好で来春結婚する筈だった。



そして悲劇が訪れた。

大学最後の夏休みを満喫する真由はFM局の開催する某海岸で行われているイベントへ友人YとYの車で二人で出掛けた。

その海岸は有名なナンパスポットでもあり少し心配したが二人を見送った。

Yもなかなかの美形だが身持ちが固いので大丈夫だろうと。



真由とYは日中から良く声を掛けられたようだ。

Yによると、夕方そこでナンパしてきたチャラけた二人組に真由は丁寧に「私、婚約者がいるんです。ゴメンなさい。」と頭を下げたそうだ。

(真由はいつもこんな感じでクソ丁寧に対応する真面目な娘だ)

その後、オレが薦めたレストランで夕食を取る予定だった真由とYは車で向かっていた途中、Yの車が故障した。

オーバーヒートし止まってしまったのだった。

この時、オレにも連絡があったが仕事中でありJAFを呼ぶ事ぐらいしか出来なかった。

JAFが到着するまで約1時間掛かる事と仕事が終わったらレストランまで迎えに行く事を伝えた。

真由とYは車の傍でJAFが来るのを待っていた。



暫くすると、さっきの二人組が車で通りかかった。

何やら話しかけてくる二人組。Yは無視をしたが真由は何か答えていたそうだ。

そして、突然真由を押し込むように車へいれ、急発進して行ったしまった。

突然の事に呆然とするY。ほどなくして、攫われたと気付き泣きながらYはオレに電話をしてきた。

オレはYに警察に電話し車種・色・ナンバー・特徴など出来るだけ伝えるように言い、社長(真由の父)に事情を説明し会社を飛び出た。



Yが電話をしてきた。余りにも酷い泣き方で何を言っているのか判らない。

どうやら、警察にも同じ事を言われたようだったが警官はすぐに駆けつけてきた様子だった。

警官と電話を変わりオレの婚約者が攫われたと伝えた。Yは警察が保護しようか?と言った。オレはYの車が故障して止まってある事を確認しJAFが来る旨を伝えた時、JAFが丁度到着した。

車とYを警察に任せ、オレは警察署で落ち合う事にした。





警察署に着くと、当直の人間だけの為か人が少ない。

一人の警官がオレに声を掛けた。オレが頷くと奥へ案内された。

真夏なのに毛布を頭から被り、嗚咽と共に揺れているのが判る。Yだった。

Yは言葉にならない声を絞りだし、何度も「ゴメンなさい」と繰り返した。



オレはYのせいじゃないと言い肩を優しく叩くのが精一杯だった。

警官にYは後で迎えに来ると言い飛び出そうとするオレを静止した。

闇雲に探し回っても見つかるものでない事と今の状況ではあなたが事故を起こしてしまいますよと…



確かにその言葉の通りだった。オレはアテ場の無い苛立ちと動揺で全身から汗が噴き出していた。

オレな署内の食堂へ案内され、出されたアイスコーヒーを一気に飲み干し、連絡を待った。



二時間ほど経った時、別の管内で真由と思われる女性を保護し救急病院へ搬送したとの連絡を受け病院へ向かった。

病院で搬送女性の近親者だと言い警官に身元確認された後、処置室へ通された。

処置台に横たわっていたのは紛れも無く真由だった。

オレは声こそ上げなかったが涙が止め処なく流れた。



その後、警官に発見された状況や着衣等の報告を受けたが、途中で聞いていられなくなり止めてもらった。

そして、医者から呼ばれた。

医者は淡々と性的暴行を受けておられます。そして女性器内に残留精液が認められますがどのようにしますか?と聞いてくる。

オレは出来るだけの処置を依頼した。緊急膣内洗浄と経口薬の投与、ホルモン剤の注射等をしてもらった。

心配だったのは、副作用による眩暈と吐き気では無く真由のココロのほうだった。



真由はこの日、一泊入院した。

オレは、Yを送り届けてから自宅へ戻り真由の着替えを手に病院へ戻り、ロビーで一晩明かした。





翌日、昼前には真由は退院した。

しかし、真由はオレと眼を合わせてくれない。

話しかける方が辛そうに見えたので黙って車を警察へ向けた。

強姦罪は親告罪であるが拉致・監禁については昨日の時点で警察が動いていたからだ。



オレは真由を待った。そして帰りの車で泣きながら一言、告訴したと言った。

辛かっただろうとオレも一言だけ返した。



家に帰ると、真由は一目散にシャワーを浴びた。

そして、そのまま眠りに付いた。ほぼ丸二日間も…



オレはその間に真由の両親に事の顛末を話した。

泣き崩れる母、怒りでグラスを握りつぶす父と何故か冷静なオレで…



不思議に思われるかもしれないので補足しておくと、真由の荷物は全てYの車にあり攫われた時手にしていたのはペットボトルだけだった。

発見された時もオレが先に警察に行っていたので警察からの連絡を控えてもらったのであった。





真由は起きるなりオレとの婚約は破棄してくれと泣きながら言った。

オレは黙って横に首を振り続けた。

その日も真由は何も口にしなかった。



翌朝、ベッドに真由の姿は無かった。

かわりにダイニングテーブルの上に、

「しばらく一人にさせて下さい。ゆっくりと考えたい。自殺はしないので探さないで下さい。」などと書かれた手紙があった。



オレは真由の携帯を鳴らした。しかし、鳴っているのは家の中だった。

車のキーも残っている。

よくよく見ると身分が判る物は全て残してある。キャッシュカードも残っていた。

無くなっていたのは生活費とオレの財布の中身だけだった。



オレは真由の友人で連絡先の判る人達に連絡した。

母と警察で家出人の届けも出した。

オレは無気力状態になり仕事も手に付かず見る見るうちに痩せこけた。

一月足らずで20キロ近く体重は落ちた。

犯人が捕まったという報告もまだない。





先週の土曜日の晩、俺の携帯がなった。発信元は公衆電話と表示されていた。

電話は真由からだった。明日の昼過ぎに帰ります。帰ってからまた話がしたい。とだけ言うと切れてしまった。

オレは真由の母に連絡をし警察に届けを下げてきた。



約束通り、真由は昼過ぎに帰ってきた。

長かった髪は随分短くなり、多少日焼けした肌で元気とまで言わないが何事も無かったかのように普通に父と母と俺の三人で待つ家に帰ってきた。

真由は父と母に迷惑を掛けたと謝罪し深々と頭を下げた。

そして帰ってくれといった。オレと二人で話がしたいからと…

渋々了承し、後でオレが連絡するという事で二人は帰って行った。



真由はオレと別れようと言った。

オレは真由は悪くない。全てを受け入れてそれでも愛してるからと返した。

結論は結局でなかった。



今、真由は実家に帰っている。

からは何があったかとしつこく聞かれているが答えていない。いや答えられるはずがない。

この先、どういう人生になるか判らないがオレは真由を一生守ってやりたいと願うのみだ!







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