私がこれからお話することは、約十四年前の出来事です。
その頃の私は四十歳で、息子が十四歳でした。
息子の祐次には、同級生の悪友が一人いました。
その悪友の名前は鹿島というのですが、その子は祐次の小学生からの友達ではありましたが、大将と子分みたいな関係だったようです。
そんな関係も中学生になる頃には、鹿島君が私立の中学に入り、祐次が県立の中学で剣道部に入ると同時に疎遠になっていっていたようです。
でも一年くらいして、その鹿島君は私立で問題を起こしたらしく、県立の中学に転校してきました。
それから、また二人は以前のような友人関係になりました。
そして、ある日、遊びにきた鹿島君に祐次が勉強を理由に断ったことから歯車が狂い始めました。続きを読む