中学3年の夏、俺たちは無敵だった。
中学校の最上級生になり、校内に怖い者がいないという環境は好きな事が何でもできると思っていた。
俺たちは別にワルかったわけではない、他校のガラの悪そうな奴等に恐怖し、安い万引きをして自慢し合う程度のレベル・・・悪ガキってかんじだった。
それでも校内では逆らう奴がいないので俺たちは無敵になれたし、悪ぶったりもしていた。
最上級生になっていい気になり始めた6月、俺たちの間で『リンチ』と名づけたイジメがはやった。
イジメの対象は気の弱そうな、なんかイラっとする奴。
「お前リンチ決定!」とイジメる奴を指名して格技場の柔道部の部室へ連行し、おもちゃの手錠をかけて、天井から吊るしてある柔道着の帯に結びつける。 続きを読む